全学協定交換留学:南洋理工大学(2025年1月~2025年5月)
私は、2023年にGSPの「EDUCULTスタディツアー:ウィーンで学ぶ文化政策、アートマネジメント、芸術教育」に参加しました。ウィーンに滞在し、海外の人と触れ合ったり、違う文化を感じる楽しさを知りました。それに加えて、自分は食べ物の好き嫌いが少なく、人としゃべるのが好きだということがわかり、案外海外にいても楽しくやっていけるのではという自信にもつながりました。GSPでの短期留学の経験がきっかけの一つとなり、交換留学に応募することにしました。そして、英会話力を伸ばしたいと思ったのと、今まで部活や学部で居心地の良い環境にいて、それももちろん良かったのですが、新たな世界や刺激がほしくなったことが、交換留学に挑戦してみようと思った大きな理由です。
実際に留学先では主体的にならざるを得ないことが多く、自信をもって英語で意見を言えるようになったと感じています。シンガポールを希望したのは、シンガポールは多民族国家でありいろいろな人と出会えそうと思ったのと、近年成長がすさまじい国のひとつでもあるので、その発展の過程を見てみたいと思ったからです。南洋理工大学にはたくさんの交換留学生がいて、「小さな世界」のように感じられる点も魅力的でした。
留学全体の感想としては、最初はしんどかったけど、どんどん楽しめるようになって自信がついたと思います。最初の1、2週間は、完璧に英語を話さないといけないという思いが先行し、なかなか話すことも自分を出すこともできず悔しい思いをしました。仲良くなった香港出身の友人とイタリア出身の友人は自分と同様に英語が第二言語であるにもかかわらず流ちょうに思いのままにしゃべっていたので、思い切って今の自分の悩みを言ってみると、「別にあなたの言っていることはわかるし、理解できなかったことないから、もっと自信もってしゃべりなよ」と言ってくれました。思っていたよりもさらっとアドバイスをくれたのもきっかけになって、自分の中で何かが吹っ切れました。そこからは自信をもって英語をしゃべれるようになりましたし、はじめは参加するのが難しかった授業でのディスカッションにも「今言っている意味はなに?」など、わからないことはその都度質問しながら入っていけるようになりました。メンタル的に強くなったというのが成長でしょうか。そのように感じます。
オリエンテーションで仲良くなった友人と夜マーライオン公園に行ってマ、ーライオンやマリーナベイサンズのライトアップ、光のショーを見に行きました。シンガポールは観光客がとても多く、この日もたくさんの観光客でいっぱいでした。けれど、大学からこのあたりの中心部までは片道2時間ほどかかるのが難点です。
シンガポールはすごく合理的な国で、資源が少ない分人が資源だといわれることが多いです。それにより、現地の学生は日本とは比べ物にならないほど勤勉で、活発な人が多い印象でした。授業の中でグループワークをすることがすごく多いのですが、そこでは現地の学生のやる気と優秀さに圧倒される日々でした。正直、留学に来る前はここまで留学先で授業や自主学習に時間と体力を使うとは思っていなかったのですが(笑)けれど、その経験を通して改めて新しいものを学ぶ楽しさを感じることができましたし、世界にはこんなに貪欲に学ぶ若者がいると目の当たりにすることで自分も頑張らなきゃいけないなとモチベーションになりました。
勤勉な生徒が多かったですが、特に交換留学できている学生はメリハリがしっかりしている学生が多く、平日やテスト前はしっかり時間をかけて勉強しますが、休みの日には思いっきりシンガポール観光や近隣の国の観光に時間を費やす学生も多くいました。私も休みの日には、大学の寮から2時間ほどで行けるマレーシアのジョホールバルという町に行って、ショッピングをしたりおいしいご飯を友人と食べたりしました。シンガポールからマレーシアはすごく簡単に行くことができて、島国の日本との違いをとても感じました。
私は神戸大学で社会学を学んでおり、シンガポールは日本とは全く違う社会構造のため、興味深い点が非常に多くありました。例えば、リトルインディアやチャイナタウンなど、民族によって住んでいる地域が異なっていたり、工事現場や清掃員などいわゆるブルーカラーの仕事をしているのは、ある特定の民族の人だったように見受けられました。さらに公用語がいくつかあり、英語を流ちょうにしゃべれるマルチリンガルの人がほとんどですが、ある一定の年齢より上になるとその割合が激減するなど、観光に来ているだけではわからないことを5カ月の間で色々感じることができました。
大学内のThe Hiveという校舎。留学から帰る前に学内を散歩していて撮った写真です。この建物は構造がすごくおもしろくて、芸術的な建築物として観光客も訪れたりします。実際に私もこの校舎で授業を受けたり自習をしていたので思い出深いです。吹き抜けになっていて形が独特なのが特徴です。
留学先の授業については、私は週に4つのコースの授業を取っていました。社会学系の授業と中国語の授業、そしてヨガの授業を取りました。社会学系の2つのコースでは基本的にグループワークを通してディスカッションすることが多く、ある授業では3時間ぶっ通しで教授と学生で議論をするというハードなものもありました。中国語やヨガの授業もグループワークがあったので、授業を通して友人も増え、楽しくすごせました。しかし、先ほども述べましたが、シンガポールの学生は非常に勤勉なので、あまりハードに勉強する気がない人はこの国の大学は向いていないと思います。本当に授業が大変でした。
けれど、本当に南洋理工大学に留学してよかったと思います。いろいろな国から集まっている学生の中で揉まれることによって、自分の視野も広がり、ここで1学期間やっていけたという自信につながりました。
シンガポールには中華系の人が多く、旧正月がとても盛大に祝われます。この日は、旧正月の前日ということで、台湾や香港出身の交換留学生と共にチャイナタウンにある中華料理のお店に行きました。イタリアやオーストリア出身の子も含め10人以上で大座あの中華料理を楽しみ非常に盛り上がりました。旧正月はあまり日本では感じないので異文化体験でした。
鈴木 香乃子 SUZUKI Kanoko(グローバル文化学科 4年)