部局間交換留学:ヒューロン・ユニバーシティ
留学先の大学では、宗教学、文化人類学、日本文化などに関する授業を3つ履修しています。それぞれ、対象としている学年が異なるので、難易度も異なりますが、全体的にレベルは非常に高いです。毎回の授業の予習で、論文のリーディング課題が課されるので、授業がない日にもしっかりと勉強する必要があります。また、他の課題として、授業内でのプレゼンテーションや、レポートなども頻繁に課されます。英語で学ぶことの難しさに加え、他の学生の理解度、レベルが非常に高いので、毎回ついていくのに必死です。しかし、様々な面での多様性を実現しているカナダにいるからこそ学べる内容も多く、大変ではありますが、日々成長できていると感じています。
私は今回の留学のテーマに、「宗教の多様性と社会への影響」を設定しました。実際にカナダで生活してみて、想定していたよりもはるかに多様な人たちが共存していて、何気ない暮らしの中でも宗教の違いに触れる機会は多いです。宗教学の授業では、様々なバックグラウンドを持つ人たちと共に、カナダ(主にオンタリオ州とケベック州)において、過去に宗教の尊重が争点となった裁判のケースについて議論をし、どのような価値観や宗教が対立し得るのかについて学んでいます。授業以外でも、キリスト教徒のハウスオーナーと宗教に関する話をしたり、たまに教会に連れて行ってもらったりしています。他にもムスリムやシク教徒、ヒンドゥー教徒の友人に、彼らの宗教について教えてもらうこともあります。それぞれ異なる地域から来た、異なる宗教を信じる人たちと話すことで、ただ宗教に関する知識を身に着けるだけではなく、出身地や歴史、家族構成など、宗教以外の要素がいかに彼らの価値観に影響を与えているのかも考えることができます。また、宗教以外にも、人種やセクシュアリティなど、様々な面で多様性が尊重されていると思います。このような点から、留学先にカナダを選んでよかったと感じています。
授業がない日には、友達とお出かけをしたり、クラブのイベントに参加したりしています。ヒューロンでは、毎週のようにイベントが開催されているので、可能な限り参加し、多くの人たちと交流することを心がけています。直近では、ナイアガラの滝へのツアーや、トロントに野球観戦しに行ったりと、大規模なイベントもあります。参加費(バス代や夕食代)がすべて大学負担なのも、この大学の魅力の一つだと思います。また、私は海外で実際に生活することを
留学の目的の一つにしていたので、あえて寮ではなく、オフキャンパスでの生活を選びました。そのため、少なくとも週に二日は買い物に行き、ほとんど毎日のように料理しています。個人的に、一人暮らし(シェアハウス)は初めての経験だったので、最初の一か月は授業や課題に加え、家事をこなすことに毎日四苦八苦していました。しかし、キャンパスにいるだけでは学べない社会の様子や、生活の知恵を身に着けることができるので、将来海外で生活することを考えている人にとってはとてもいい経験だと思います。
毎日が刺激の多い日々で、一つだけを選ぶのは難しいので、この二か月で学んだこと、感じたことをまとめて書きたいと思います。世界各地から来たたくさんの友達と出会い、毎日宝物のような時間を過ごす中で、自分の英語能力の未熟さが故に、友達との会話や授業内のディスカッションなどで、自分の伝えたいことが思うように伝えられないことにとても落ち込みました。しかし、徐々にその苦労も楽しいと思えるようになってきて、「落ち込む暇があったら単語の一つでも覚えよう。」のマインドで、日々ポジティブに過ごすことができています。もう二か月が経ってしまったことが信じられませんが、この留学は間違いなく自分の人生を良い方向に変えてくれると感じています。残りの期間も、この素晴らしい環境と、支えてくれている人たちに感謝をしながら、毎日を有意義なものにしたいと思います。
小熊 康介 OGUMA Kosuke(グローバル文化学科 3年)