2024/10/02アテネオ・デ・マニラ大学から現地報告(2024年9月)【フィリピン】

GS留学型(交換)地域:アジア学科:グローバル文化

留学プログラム

部局間交換留学:アテネオ・デ・マニラ大学

留学先での授業について

私が履修しているのは、アカデミック英語、中国語、フィリピン語(フィリピン文化)、フィリピン近現代史、日本のマネジメントについての授業です。授業は1時間30分を1コマとし週2回(私は取っていませんが水曜・土曜の3時間の授業は週1コマ)が基本で、英語だけ3時間の授業が週2回あります。履修登録はうりぼーネットのようなものを通して行いますが、留学生は履修できる授業が限られており、基本的には1・2回生向けの基礎の授業を取ることが多いようです。私も取りたい分野の授業がなかなか承認されず苦労しました。履修登録の際は、ASECと呼ばれる留学生支援を行っている学生団体の学生たちが助けてくれました。授業の資料や課題提出などは、Canvasと呼ばれるBEEFのようなものを使い行われます。

ASEC主催のオリエンテーションにて撮影。今学期の留学生と現地学生。

ASEC主催のオリエンテーションにて撮影。今学期の留学生と現地学生。

英語の授業は論文の書き方やノートの取り方などを学びます。大学1年生向けの大学英語の導入のような授業です。中国語の授業は先生が面白くとても楽しいです。直近ではグループで中国語の歌を練習して発表しました。フィリピンの公用語の一つであるフィリピノ語の授業では、日常的会話だけでなくフィリピノ語の歴史や文化も学んでいます。歴史の授業は、前提知識の不足と時折フィリピノ語を交えて話されるので大変な部分もありますが、これから日本占領時代のことなども学ぶので楽しみにしています。マネジメントのクラスは日本の企業を海外の視点からみるので、新鮮なことが多いです。グループワークが多く、そこは少し大変です。

1st semesterにあたる8月~12月、フィリピンは雨季なので大雨による影響で授業が中止になったり、交通機関のストライキでオンライン授業になったりと、日本だとあまり体験しないようなこともありました。

フィールド学修について

まだあまり進められていませんが、何か聞きたいことを現地の学生に聞くと快く答えてくれます。私はフィリピンの高い英語レベルの背景などを知りたいと考えているのですが、植民地時代の歴史や、大小さまざまな島からなり800以上の言語が存在するという地政学的な状況、小学校4年生以降の理数系の授業は英語で行われることなど様々な要因がありそうです。一方、日本のUber Eatsのような配達システムの配達員の人は、時々英語が上手く通じないことがあります。フィリピンはPISA(国際学力調査)の順位が低くもあり、教育格差や英語による教育の問題も多いのではないかと感じます。

自由時間の過ごし方

私は水曜日に授業がないのですが、大学3年生なので、オンラインを利用して説明会やインターンに参加するなど就職活動をしていることが多いです。平日の授業終わりは、授業の復習や課題を図書館などで行ったり、友人と話したりしています。最近は、大学のヘルスプログラムを利用してエアロビのクラスに参加しているときもあります。友人と一緒にご飯を食べに行くことも多いです。

土日は家でゆっくりしたり勉強をしたりしているときもあれば、どこか近場に出かけていることもあります。フィリピンはメガモールと呼ばれる商業施設が発達しているため、モールにお買い物に行ったり、遊園地や水族館、イントラムロスという歴史的な遺跡、マニラ大聖堂などに遊びに行ったりしました。4連休を利用してSubicと呼ばれる地域に旅行をしたり、ASECという留学生支援団体が企画してくれた1日旅行で無人島に行ったりもしました。

4連休を利用して留学生仲間たちとSubicに泊まりの旅行に行き、サファリパークに行った時の写真

4連休を利用して留学生仲間たちとSubicに泊まりの旅行に行き、サファリパークに行った時の写真。

印象に残っていることや楽しかったこと

アテネオ・デ・マニラ大学はフィリピンの早慶と呼ばれる大学で、キャンパスが広大です。神戸大学と同じように第二外国語の履修が必修で日本語も選択肢としてあるため、日本から来たというと「こんにちは!」と日本語で話してくれる学生も少なくありません。また、日本文化について学ぶ「Hinomoto」というOrganizationがあります。Organizationとは、日本の部活/サークルのようなものです。大学の外でも日本人であることを話すと簡単な挨拶を日本語でしてくれる人や日本のアニメのグッズや展示会を見かけることも多く、日本のPOPカルチャーの人気を感じるとともに、とても親日で人が温かい国だなと感じます。

日本からの距離も近く親日国であることや昨今の日本のPOPカルチャーや日本食ブームもあってか、日本食のお店や日本企業のお店・商品もよく見かけます。大学近くのモールには、やよい軒、丸亀製麺、DAISO、UNIQLO や現地の人が営む日本食レストランが入っており、日本が恋しくなりやすい海外生活ではとてもありがたいです。

ASECが計画してくれた One day trip で無人島に留学生と現地学生と一緒に遊びに行った時の写真

ASECが計画してくれた One day tripで無人島に留学生と現地学生と一緒に遊びに行った時の写真。

大学の中とその周辺は比較的治安も良く、またMakatiやBGCと呼ばれる地域は東京や大阪と遜色ないほど発展していますが、物乞いやホームレスなどを見かける機会も多いです。日本ではめったに見かけないような光景に多く出くわすので、考えさえられることが多いです。日本人留学生同士で貧困や既存の経済システム、教育システムなどについて議論することもあり、深いディスカッションになることも多く面白いです。

ヨーロッパからの留学生は遊びと勉強のメリハリがしっかりしており、旅行に行ったり近場に遊びに行ったりする機会が多いです。例えば、仲の良い留学生同士で計画をし、1泊2日でSubicのサファリパークに行きました。ホワイトタイガーの餌やリを間近でみれたりワニを触れたりと、全体的に動物との距離が非常に近く、とても楽しかったです。

櫻井 華蓮  SAKURAI Karen(グローバル文化学科 3年)