2024/05/02しんどい子どもに寄り添うプログラム(2023年度後期)【兵庫】

GS研修型(国内)国内実施発達コミュニティ

国内フィールド学修プログラム

しんどい子どもに寄り添うプログラム(2024年1月~3月)

プログラム概要

神戸市長田区の被差別部落としての歴史を持つ地域において子育て支援を行うボランティアグループ「こども育て長田ネットワーク」にお世話になり、子どもたちと活動したり、部落の歴史と現状を学ぶフィールドワークを行ったりしました。主な活動は週2回で、月曜日に「体力育て」として子どもたちと鬼ごっこや空手、体を使った遊びを行い、土曜日は学習支援として午前に小学生、午後からは中学生と一緒に勉強をしました。子どもたちと一緒になって体を動かしたり、学習面でのつまずきに寄り添ったりしながら、積極的にコミュニケーションをとりました。

土曜日に子どもたちと行った勉強会の様子

土曜日に子どもたちと行った勉強会の様子

体験談

私は子どもの生きづらさというテーマに関心があったため、サードプレイスでの子ども支援に関するこのプログラムを魅力的に思い、参加を決めました。とても受容的な空気感のフィールドなのですが、実際に活動するうち、それは「やりたい・やりたくないなどの子どもたちの意思表示や感情の揺れに付き合いつつ、導くときは導き、認めるときは存分に認め、一貫した受容的態度で接する」という先生方の姿勢が、子どもたちの安心感に繋がっているためではないかと気づきました。さらに活動を通して学んだのは、相手の立場に立って考えつつ対等に接することの重要性です。例えば、大人である私や他の先生が子どもたちと一緒になって楽しみ、思い切り遊ぶとき、子どもたちはより一層楽しそうに遊んでくれます。また、どういう雰囲気で話しかけるか、どんな話題が好きかを一人一人に合わせて考えたり、言葉や表情などを通して私から「仲良くなりたい」というメッセージを送り続けたりすることで、子どもたちなりに気持ちを返してくれ、よい関係が築けたと感じました。大人だから、支援する側だから、などの線引きではなく、同じ立場から理解を深めようとすることでお互いに受容し合えるのだろうと思いました。鬼ごっこは体力的には辛いですが賑やかで楽しく、学習支援は一人一人とじっくり話すことができます。どちらの活動も大切な子どもたちの居場所づくりであり、また私自身関わりを通してたくさんの元気をもらっていました。

バレンタインの時期に子どもたちと行ったお菓子作りの様子

バレンタインの時期に子どもたちと行ったお菓子作りの様子

私は、このプログラムの前に海外研修として韓国の語学研修に参加したのですが、今回の国内プログラムでは海外で得た学びを精一杯発揮できたのではないかと考えています。韓国では、言葉が分からず不安の中にいる私に、笑顔やジェスチャー、空気感といった非言語的な側面で受容や思いやりを体現してくれた人々とたくさん出会いました。その経験をもとに、フィールドでは子どもたちにかける言葉以上に自分の態度や声色、表情などに気を配り、「体感できる安心」を考えながら関係を築くように努めました。海外で感じたマイノリティとしての気持ちと、現地の人々から受け取った相手を思いやる姿勢は、子どもたちと向き合う上で一つの道標のような存在になっていて、国内外関係なく人との繋がりを考える重要な機会になったと改めて感じています。

富山 采音 TOMIYAMA Ayane(発達コミュニティ学科 3年)

※体験談執筆時(2024年4月)の学年を記載しています。