ポストコロニアルの日常を訪ねて:グローバル化、開発とアフリカ周辺社会
教員1名、引率院生1名、学部学生12名でウガンダに3週間滞在する。都市部、村、観光地で現地の人と関わりながら過ごし、メディアやニュースで作り上げてきた「アフリカ」のイメージと、実際に自分で足を運んだアフリカのリアリティのギャップについて考察する。また、病院や小学校見学、都市と村でのホームステイなどを通じ、開発や教育、文化など各人が特に関心の強いトピックについて、自律的に調査することができる。
私が本プログラムに参加しようと思った理由は、文化人類学を専攻したことで、アフリカはいつか必ず訪れたい地になっており、それを教授と同行させていただけるのはまたとない機会だと考えたからである。アフリカの人類学的事例は演習や講義で多く紹介されたが、遠く離れた土地の文化を理解するためには想像力が足りず、実際に自分の目で見たいと考えるようになった。私的ではなく、大学として行くことで個人の旅行では決して得られない学びがあると確信し、参加を即決した。
この研修での気づきは、アフリカは全て私たちが思うような貧困ではなく、近代的なものが必ずしも最適解でないことである。アフリカといえば、貧困や飢餓に喘ぐ姿がよく描かれるが、実際は皆スマホを使い、車に乗り、食文化は豊かである。もちろん電気や水道、トイレや家屋など発展途上に見える部分も多くあるが、ウガンダにはウガンダの環境や気候に合った発展があり、日本や西欧の暮らしがあるべき正解ではないと相対化することができた。これは本を読んだり、ほんの数日滞在するだけでは気づけなかった点だと感じる。多くの人がアフリカは怖い、危ないと考え訪れない中、学生に機会を与えその考えを改めさせてくれたこのプログラムに感謝している。
研修でであった全ての現地の方々は、みんな私たちを歓迎してくれ、ほんの一日の付き合いでも別れを惜しみ、また会おうと言ってくれた。アフリカは今、私にとって遠くとも近い、再び帰りたい場所になった。
中野 由唯(グローバル文化学科 4年)