文化発信としての言語教育・言語学習:海外大学日本語学科へのインターン・プログラム(2023年8月25日〜9月8日)
このプログラムは2020年からオンラインで実施しこれまで延べ150名ほどの学生が参加してきましたが、昨年の夏、11名の国際人間科学部生が初めて実際にウボンラチャタニ大学を訪れ、日本語コースでの指導補助、日本の歴史や文化の紹介(浴衣の着付け、茶道、生け花など自分にできること)など様々な活動を行ないました。また、参加者各自のテーマ例えば「日本語習得の動機及びキャリアへの影響」、「タイにおける経済格差とキャリア選択について」、「日本のアニメへの愛着と日本語学習の進展」、「タイにおけるLGBTの受容」などについて同コース受講生、およびコース教員への聞き取り調査などを行ないました。
私がこのプログラムに参加しようと思ったのは、正直に言って何となくです。費用が予算に見合っていたことと、現地で美味しいタイ料理を食べてみたいという学習とは全く関係のない動機で参加をしようと思いました。
このようにして参加した研修でしたが、プログラムを通して多くのものを得ることができました。中でも一番大きいのは、日本語教育との出会いです。研修では、ウボンラチャタニ―大学日本語学科の授業の補助や現地の学生とコミュニケーションをとることで日本語や日本文化の紹介をしました。そこで自分の持っている日本の歴史・文化の知識が役に立つことを実感したり、普段は意識することない日本語とタイ語の音の違いを認識したりしました。このような経験から日本語や日本文化を伝える喜びや言語としての日本語そのものに対して興味を抱き日本語教育を学んでみたいと思うようになりました。そのため来年は休学をし、海外での日本語教育ボランティアなどを通して日本語教育について学ぶことを決意しました。
また、タイの大学生との交流も非常にいい経験でした。彼らと食事や行動を共にする中でさまざまな話をし、異なる価値観にたくさん触れることができました。特に、ジェンダーに対して寛容な点は印象的で、ジェンダーに関する認識の日本との違いには驚かされました。十分すぎるくらいに私たちを歓迎し、さまざまなことを教えてくれた現地の学生たちには感謝してもしきれません。
最初は高い志を持って参加したわけではなかったですが、このプログラムは日本語教育や異なる文化的背景をもつ多くの人々との出会いの機会を設けてくれ、私の大学生活を大きく変えてくれるものとなりました。
大田 実依 OTA Miyori(グローバル文化学科3年)
※プログラム参加当時の学年を記載しています。